紀尾井町に聳えるクリームの断崖（SATSUKIの「最上級版ショートケーキ」を食べてきた話）
山積みになった業務をちぎっては投げちぎっては投げしつつ、連日の長時間労働を余儀なくされていた7月某日、ふと思った。
（あ、これ自分労いイベント作らないと心が死ぬわ）
今いる部署は基本的に他人を労ったり褒めたりする文化が希薄だ。個人主義的で、他人の仕事には関知しない（ように私には見える）。去年の今頃私がOJTの指導担当で身も心も砕いていた時、まともな労いの言葉をかけてくれたのは他の課の課長1人だけだった。悲しいね。
「人に労ってもらえないなら自分で労うしかない」精神で、会社を早退けしてホテルニューオータニ内のパティスリーSATSUKIでショートケーキを食べる、というプランを考えた。
SATSUKIといえばパンケーキも有名だけど、季節限定の新エクストラスーパーピーチショートケーキ（長いので以下「桃ショートケーキ」とする）が大変魅力的だったので迷わず決定。1ピース3,888円のラグジュアリー価格だけど、可愛い可愛い自分を労うためなら安いもんである。実のところショートケーキは普段進んで食べるほどの好物ではなくて、もはや人生経験の一種みたいなノリになっている。
1日限定20個ながら8月以降はWebの取り置き予約不可とのことで、在庫があるのを祈って8月某日、ニューオータニへ向かった。うっかり遠回りの道を選んでしまった上、ニューオータニは敷地入り口から正面エントランスも割と遠いので、焦らされるようなもどかしいような気持ちになりながらも、無事に入店。
平日の昼間でも店内の人入りはそこそこ。SATSUKIの平日ランチメニューから、「本日のシェフのお勧め」仔牛のカツレツを注文。もちろん食後に桃ショートケーキも。在庫はあった！やったぜ。
ほどなくしてカツレツ登場。肉は薄くしてあるけど、思ったよりデカい…！ウィーンで食べたシュニッツェルをとことんお上品にした感じで美味でした。バターじゅわじゅわだった…。カロリー美味しい。
ところでランチセットはサラダかスープをつけられるので（ダイエッターとして――）サラダにしたら、豆がゴロゴロ入った割とボリュームあるサラダが出てきてしまい、サラダだけでそこそこお腹が満たされるという事態に。スープで良かったな…と若干後悔したものの、カツレツについてるサラダはオリーブオイルと塩と酢少し？だけのどシンプル仕様だったので、美味しいサラダ食べられて良かったねということにした。
そしていよいよ真打、桃ショートケーキ。食後の食器はスマートに下げられ、代わりにそれが乗ったお皿が恭しく登場。キタ！！
美しくシャープな断面に惚れ惚れして、さながらクリームの断崖…と謎の寒いコピーが浮かぶ。
一口食べるとシャンティは上品な甘さでなめらかで、スポンジはふわっととろける……おいし〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！と悶絶しながらぱくぱく食べた。かなりでかいので食べても食べてもまだあるといった感じ。トッピングの桃と中に挟まってる桃とでまた味わいが違っていて、中の桃はマリネとかしてあったのかもしれない。
ところでセットの紅茶はランチについてくる名もなき紅茶なんだけど、これがまたすこぶるケーキに合って美味しかった。おかわり自由で終盤ペースが落ち出した頃は大変助けられました。。やっぱヘビー級デザートですわ。。
食べ終わる頃にはすっかり満腹になった。上質なカロリーで腹を満たせるのは幸せなことだ。こういうご自愛企画は徹底的にやることが重要。金もカロリーも惜しみなく。自分を愛してショートケーキを食べる平日の昼下がり、良い時間でした。
次はエクストラスーパーイスパハンショートケーキを狙ってる。季節限定のシャインマスカットも良いけど味想像できるし、イスパハンは公式の説明文読むとかなり複雑な構造っぽくて気になるなあ。
修羅場の合間を縫ってまた自分を愛しに紀尾井坂を登ろう。
（次回のご自愛企画へ）つづく。
